人間行動の心理学
多鹿秀継他著 福村出版
今回、私が研究テーマにする子どもたちの行動形成「自立」に関して、いくつかのヒントを本書からもらう。
1.記憶
情報処理過程としての記憶は感覚記憶、短期記憶、長期記憶として外界の記憶を貯蔵し、それぞれの貯蔵庫に情報を伝達するとき、注意、符号化、検索の諸処理を行う。
2.パーソナリティの発達
パーソナリティは人間の認知的、感情的、意志的な諸側面を統合した人間の在り方を考える概念。パーソナリティの中でも、比較的変化しにくい部分と、変化しやすい部分がある。
活動性の程度(運動の速さ、頻度、強さなど)、睡眠や食事、排泄の規則性、刺激に対する順応の速さなどは、比較的変化しにくいものと考えられ、気質と呼ばれている。
3.自己の形成
◇エリクソンの心理、社会的発達段階
発達の段階毎に達成すべき課題がある。
Ⅰ.乳児期 基本的信頼 対 不信
Ⅱ.幼児前期 自律性 対 恥・疑惑
Ⅲ.幼児後期 自主性 対 罪悪感
Ⅳ.学童期 勤勉性 対 劣等感
Ⅴ.思春・青年期 同一性 対 同一性拡散
Ⅵ.成人期 親密 対 孤立
Ⅶ.壮年期 生産性 対 自己陶酔
Ⅷ.老人期 統合性 対 絶望
これらから、発達障害児たちのおける行動形成のパターンを考えて、健常児との差分をみる。
また、そこに行動形成、自立へのアプローチが見えてくると考えている。