「進化を続けるモバイル向けUIの最前線ーシリコンバレーで見た未来」
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0902/13/news006.html
コミュニケーション障害への支援の中でも,VOCA(Voice Output Communication Aid),PECS(Picture Exchange Communication System)は,言葉の発達を促したり,言葉の代替となったり,以前から自閉症,肢体に障害をもつ人たちの支援機器(AAC)として,使われている.
そうした従来の支援機器の調査から,モバイルによる新しいテクノロジーでの新たな支援のための中間報告を,現在まとめている.
モバイル版PECSとしてのproloquo2goの動作確認は,自閉症や脳性麻痺の人たちにとっては,入力のストレスがあることがわかる.モバイルの小さなモニター画面,iPod-touchの画面操作,動く画面や触ることで変化する画面が,どのくらい認知できるか,セマンティックな構造を,どのくらい認知できるか,課題がある.携帯電話,iPod,DSなどのモバイル版への操作上の課題がみえる.
ここ数週間,レビューしていた論文は,「gaze」をキーワードにした論文だった.eye trackerの技術は,Webの世界では,すでにWebリサーチで注目されている.その技術を使った注視入力によって,キーボード入力によるtypingストレスがなくなる・・・そこで大切なのは,コミュニケーションのために必要なことは何か,コミュニケーション障害にとって,必要なこととは?
盲聾,肢体不自由,失語などにある機能障害を,代替するだけの技術だけで,コミュニケーションができるのか.例えば,聾のひとが,補聴器を使って,機能的に「聞こえる」.しかし,聞こえるだけで,人とコミュニケーションができるのか.マイナスのものを補うだけで,コミュニケーションができるのか.
たくさんの疑問とともに,レビューしてきた論文からは,コミュニケーションのための要素には,「人」の存在の影響がわかる.「もの」を介して,人とのコミュニケーションを図る.人,ここでは,健常な人から,何らかの「もの」へのアプローチをすることが,障害のある人たちのコミュニケーションするための発語や言葉の発達を促す.そのために,必要なinteractionを,「もの」の役割が担う.
「gaze」は,日本語に訳すと,見つめる,凝視,注視という意味である.相手を見つめたり,注意深くものを見る行為は,何をもって人をそうさせるか.アイコンタクトの難しい障害をもつ子どもにとって,トレーニングにもなる注視入力としてのキーワード「gaze」にも,今後注目しながら,様々なモダリティが,人と人との間にたつインターフェースが可能にするコミュニケーションを考えていきたい.
◆マルチ・モーダル(multi modal)の設計思想
ユーザーの置かれた場所、環境、状況に応じて、「タッチパネル」「音声認識」「手書き入力」など異なるUIのモード(方式)を提供するという考え方である。さらに各種センサー(モーション、光、温度など)をそれに組み合わせることで、自動的にUIモードを切り替えたり、異なるモード間の連携を可能にする。
引用元:http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/
参考:
□http://gazeinteraction.blogspot.com/
□http://www.psychnology.org/File/PNJ7%282%29/PSYCHNOLOGY_JOURNAL_7_2_FULL.pdf