「研究を続ける限り、いつでも、どこでも、私たちは、今までと、何ら変わりませんよ。」
3月、在外研究でヘルシンキ大学へ渡る西村教授の言葉は、インターネットが私たちを、ボーダーレスに結んでいることを象徴していた。
教育実践学研究法の調査研究(浅田匡教授)では、埼玉県の小学5年生のクラスの授業実践を、4台のビデオカメラで撮影し、東京、カリフォルニアにインターネットを利用して配信し、私たちは、遠隔から、担任の発話、発問のプロトコル分析と、児童の授業内での行動分析研究を、プロジェクトチームを組んで行った。私が東京でレポートをまとめ、カリフォルニアにいるチームメイトが、加筆校正する。東京、カリフォルニアの17時間の時差を利用して、効率よく行われたワーキングは、東京の深夜とカリフォルニアの早朝に、チャットミーティングを行う。
この調査研究で、インターネットで結ばれるボーダーレスのつながりを体感した私の世界観は、変わった。
来年度予定されている、西村教授の学院へのフィンランドからの中継授業も、インターネット科学特論の中継講義も、ボーダーレスに、ストレスなく結ばれることだろう。
ドラえもんのどこでもドアは、既に、現実のものになっている。
スタンフォード大学Dr. Roy PeaチームのDiver研究は、ボーダーレスの世界を感じる意味でも、非常に期待する。
http://diver.stanford.edu/what.html
インターネットを利用して、遠隔地を結び、映像配信され、キャプチャーされたその映像を、瞬時、編集して、コメントできる。そして、それらは、再び、インターネットを利用して、瞬時に世界中に配信される。
この基礎研究の応用は、様々に拡がるだろう。例えば、特別支援教育での、専門家からの遠隔支援。軽度障害児たちの行動分析や、教師の指導映像から、より高次の分析が可能である。
インターネット科学の研究は、どこまでも拡がっていく。そして、その基礎研究を、高次に応用するのは、私たち人間のイマジネーションなのだ。ボーダーレスな世界の中では、私たちのイマジネーションは∞(無限大)に、膨らんでいく。