ヒューマンインターフェース分野の、生理・生体計測を活用した技術に注目している。
■バイオメトリクス認証(Biometrics Authentication)
近年生体特徴を利用して個人認証を行うバイオメトリクス技術は、生体計測を利用した技術である。
その1つに指紋認証がある。これは、指紋が各人の指毎に異なることを活用している。さらに、指先であるため、接触させる小型の入力センサにより比較的簡単に計測ができること、および高精度の照合方式が確立されていることから、情報機器の個人認証にも活用されている。
バイオメトリクス認証は、他にも、指紋や眼球の虹彩、声紋などの身体的特徴によって本人確認を行なう。暗証番号やパスワードなどに比べ、原理的に極めて「なりすまし」しにくい認証方式である。顔を認識する技術や、ペンでサイン(署名)する際の筆圧や速度などの運動力学的特徴を利用する技術など、ユニークなものもある。単純なパスワードなどによる認証に比べ、高速な処理装置や大量の記憶装置が必要であり、その分高価であるため、国防施設や研究所など極めて高度なセキュリティを必要とするごく一部の分野から導入が始まっている。現在は指紋や虹彩を利用する認証を中心に研究が進んでおり、利用環境によってはほぼ確実に本人であることを確認できる製品も登場している。
参照:http://e-words.jp/
参考:JAISA (社)日本自動認識システム協会
http://www.jaisa.or.jp/about/index.html
■Mosquito sound
「10代にしか聞こえない」というこの17kHzの周波数を利用したサウンドによるmobile着信サウンドが流行っている。この生体の特性を利用して、イギリスや、アメリカでは、今後、さまざまな製品が登場するだろう。
若者には、不快に聴こえるというこのサウンドを利用して、イギリスでは、店舗の外で、たむろする若者に、Mosquito soundを流すことで、追い払う製品が登場している。
http://www.bbc.co.uk/wiltshire/content/articles/2006/04/04/mosquito_sound_wave_feature.shtml
□Mosquito sound(17kHz)
この周波数でのサウンドは、残念ながら、私には、傾聴すれば、微かに蚊の羽音が、聞こえる程度である。
http://graphics.nytimes.com/packages/audio/nyregion/20060610_RINGTONE.mp3
年齢と共に、退化する聴覚機能の特性を利用したバイオメトリクスは、現在は、その研究は未開であるが、今後、年齢分別による生体認証は、注目されると考えている。ただし、その計測評価に関しては、課題が大きい。
~070120認知工学論~
■生理指標
・視覚系の指標
-眼球運動
-瞳孔運動
-瞬目
・脳機能の生理指標
-機能的MRI(fMTI)
-NIRS(近赤外光による脳活動計測)
-脳波
-MEG(脳磁界計測)
-PET
・自律神経系の指標
-心電図
-血圧
-脳波
-呼吸
-皮膚電気活動
-皮膚温
■生理・生体計測の利用におけるメリット・デメリット
〈メリット〉
客観的な定量的データが得られる
連続的な計測が可能
身体状態の実時間モニタが可能
指標によっては、被験者に負担をかけずに計測が可能
刺激事態設定の重要性
指標値と内部状態は、1対1対応しない
内部状態変化Aが生じたときに生理指標に変化Bが現れた
生理指標に変化Bが現れたからといって内部状態変化がAとはいえない
生理指標の正しい意味づけが可能となるように、刺激条件の統制を慎重に行う必要がある
〈デメリット〉
指標によっては、計測時の制約が大きい
作業・動作によるアーチフェクト(目的とする指標以外の成分)の混入
個人差が大きい
指標の絶対値の差
同じ刺激を受けた時の反応様式の多様
年齢、性別、体格、習慣、疾患などの影響
個人内の変動が大きい
サーカディアンリズム
食事、カフェインの影響
順応、慣れの影響