子どもたちとコンピュータ…そこでは、人間がコンピュータと、どう向き合い、子どもたちの未来では、人間とコンピュータは、どういう関係を持ち続けるのか。
私が子どもたちに教えられることは、伝えられることはなんだろう。
認知工学論では、ヒューマンインタフェースという、人間とコンピュータシステムとの節点の中で、ユーザビリティをキーワードに、人間とコンピュータシステムのコミュニケーションが何かが論じられた。そこでは、人間の情報処理モデル、人間の生理計測・生理指標まで、人間の特性を見つめ、新しいヒューマンインタフェースの技術から、人間とコンピュータシステムのインタラクションを考察してきた。
ヒューマンインタフェースの歴史
第1世代~Remember type型であり、キーボードから文字列で指示を与えるコマンド言語入力方式
第2世代~See and point型のGUI
Alan Keyは70年代後半に、既にGUIの限界に気付き、大規模ネットワーク時代には、ユーザの意図や情報の内容を理解できる知的なエージェント (Agent)技術が必須となることを予見していた。
第3世代~Ask and tell型Multi Modal Interface
第4世代~Man Machine Interface 、Wearableへ
参考:東京大学/石川並木小室研究室
http://www.k2.t.u-tokyo.ac.jp/vision/wearable/index-j.html
私自身の、先端研究・ITS研究を通した経験から、未来を生きる子どもたちに、人間とコンピュータのつき合い方を教えてあげるとしたら、コンピュータと関わることは、人間の営みを見つめることだということだろう。
当時、ITS、高度交通管制システム研究の発展した背景には、日本の高度成長期と共に急速に発展した車社会があった。ライフスタイルの変化と共に、時代が一気にIT社会に流れ、モータリゼーションの中で、渋滞、交通事故、環境負荷と、研究課題は山積みの中、研究は進む。
ITS(Intelligent Transport Systems)の研究では、プラットフォームを進化させる技術として、次世代暗号、エージェント技術、そして、HMI(Human Machine Interface)技術がそれを支えた。
そして、その中で、私たち研究は、常に人間に向き合っていた。
人間とコンピュータ…そこでは、人間が本当に向き合わなければいけないのは、コンピュータではなく、自分であり、他者である、人間自身だということだろう。なぜなら、コンピュータは、限りなく人間に近づいてくる…。ヒューマンインタフェースの研究は、人間を見つめなければ、進化しない。そして、そのヒューマンインタフェースの技術は、人間の営みの中で、様々に活かされていくだろう。