e-learningは、現在、多くの企業・大学が採用しているLMSである。
学校教育現場でも、不登校児への対応、教職員研修、特別支援教育等、期待のもてる新しい学習環境システムである。
□東京書籍e-learning Club
http://e-learning.tokyo-shoseki.co.jp/
□東京大学大学院学際情報学府
http://iiionline.iii.u-tokyo.ac.jp/index.php
□Newton
http://egoalmam.newton-e-learning.com/kyozai/tyugaku/index.html
□国立特殊教育総合研究所
http://www.nise.go.jp/blog/e-learning.html
□NEC i-collabo.learning
http://www.i-collabo.jp/index.html
ここでの課題を今後、整理し、学校教育での「自学自習力」から、e-learningについて、考えていきたい。
都内私立中高一貫校での、進学試験、結果・分析報告会で、取り上げられた「自学自習力」から、LMSを考える。
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この学校は、毎年、東大・早・慶大への大学進学への実績ももつ私立中高一貫の女子校である。
会議室におよそ140名の内部進学合格の保護者を集め、高等科進学試験の報告会が行われた。
教務主任の話は、B4資料だけの提示であったが、論点がまとまったわかりやすいものであった。
resume
1.高等科で必要な学習習慣とは何か?
2.自学自習力
3.進学試験の結果
4.各教科への対策
5.全体的講評
1.高等科で必要な学習習慣とは何か?
発達段階と学習習慣(中高一貫校対象学力調査2006年報告~ベネッセから)
小学校時期…塾との学習習慣の相関
中学校時期…学校での学習集中度、学校からの宿題量と消化度
高校時期……偏差値50前後→受動的学習態度・復習中心型/偏差値55以上→予習中心型
2.自学自習力
3つのキーポイントが学力と相関性がある。
1)計画性
定期試験など、3週間前からの準備。ただ、2週間前までは、今、何をしたらいいかの気持ちの高昇。
2)試行錯誤
例えば、辞書を引く。その周りにある言葉への興味。数学であれば、まず、自分で解こうとする意欲。
3)振り返りの時間
「弱点」の振り返りが重要。集中的にポイントを掴む。中程度の成績者は兎角、全てにわたって、振り返ってしまう。
3.進学試験の結果
[国語科]
振り返りができていない。
漢字練習のみで、言葉として捉えていない。語彙力がない。
記述問題に対し、問われた通りの正解を導けない。
選択問題は良好。
[英語科]
長文の記述が弱い。
日本語での大意を要約することができない。英語でのまとめができない。
これらは、国語力そのものに、弱点がある。
基本単語、中1・3英文の定着していない。振り返りなし。
全体的な弱さ。
[数学科]
計算問題におけるケアレスミス。正答率5割。
2次関数(中3)では、基本問題正答率4割をきる。
幾何の復習が足りない。
確率問題は全体的に良い。
全体的には、チャレンジする意欲が見受けられる。
4.各教科への対策
[国語科]
集中して、新しい文章を読む。
ポイントを押さえる。
論説文、小説、詩、いろいろなジャンルの問題に臨む。
古典では、古文用語の活用。
[英語科]
予習・復習をやる(振り返り)
語彙を増やしていく。辞書の使いこなし。
[数学科]
毎日、取り組む。
解き直し(振り返り)
計画的な学習の取り組み。
5.全体的講評
進学試験の結果分析から、生徒たちに必要な学習力として、以下の3点をあげる。
1)計画的な学習力をつけること。
2)振り返る学習力(復習力)をつけること。
3)既に、もつチャレンジ精神・意欲的な学習力を更に、引き伸ばすこと。
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学校教育におけるLMSには、
学習活動→分析→結果→対策→次の学習活動への動機づけ
このプロセスが必要になる。更に、それらは精度の高い評価法が必要になるのだろう。
プログラミングとして、それだけのものを作るとしたら、教師自身がもつ暗黙知の研究が必要になる。
しかし、コーチング(チューター)の役割を、生徒の学習活動における動機づけアプローチとして、見直すことのほうが重要なのだろう。
e-learningでのチューターの役割が、LMSの方向性を決める。