読み書き障害(ディスレクシア)のすべて-頭はいいのに、本がよめない
サリー・シェイウィッツ著 藤田あきよ訳 加藤醇子医学監修
私自身が、今眼を向けたいと思っている子どもたち。実際、教育現場の中では、隠れていること。
特別支援の中では、ADHDの子どもたちや高機能性自閉症などの子どもたちの対人面、行動面などの問題解決の必要性が先行して、もしかしたLDの子どもたちは、水面下に隠れていくのではないかとも感じている。
早期発見のために、何をしてあげたらいいのか。
本書は、アメリカでの事例を基にした翻訳本であり、英語の読み書き障害について詳細な研究報告がされている。英語と日本語における言語の差異は当然ある。
「ひらがなやカタカナの音読が障害されている児童は約1%、漢字は約3.5%(SD=1.5)。また、書字についての障害では、ひらがなは2%、カタカナは5%、漢字は、7~8%にのぼる。いずれも、知的障害児は含まない。(宇野)
機能MRIでの読み調査は、日本の場合、本当に読めているか、正確に読めていなくても意味理解をしてしまっているのかの判断がつき難い。」
本書では、
日本のLD判定の基準になる読み書きや語彙、音韻検査、RAN(呼称速度)などの検査も指導法もまだ、充分確立されていないという。
英語と日本語の言語にある文化差を考えながら、LD(ディスレクシア)への理解と、研究の手法を参考にしながら、ただ、学習障害児たちのもつ背景にある「環境」に、ちゃんと向き合うことを、今日の講義では学ぶ。実際、脳機能の障害であるだけでなく、学習環境(親の養育も含め)の因子をもつことを、考えながら、そうした子どもたちにとって、何を先行してあげたらいいのかという課題。
「安心で、安全な学習環境を保障してあげること、そして、その子にあった学習形態の適応を考えてあげること。」大切なことをたくさん、示唆して頂いた。
私がコンピュータを使った学習支援に注目する以前の、もっと、大切な子どもたちへのアプローチがあること、私は、実際、ショックを受ける。
まだまだ、子どもたちに向き合っているようで、向き合っていないと言うのは、こういうところなのだろう。
この書籍や、論文をもう少し、整理しておこう。