弱視者(ローヴィジョン)のためのポータルサイトの構築は,視覚に障害をもつ学生自身によって,制作される.
実際に,視覚障害の人たちは,インターネット上のサイトからどのような情報を得ているのか,視覚障害の人たちにとって,情報とは何か,どのような情報を欲しがっているのか,どのような情報が有効で,どのような情報が無効なのか.
障害学生の取り組むものづくり研究は,視覚障害者,保護者,障害支援者へのインタビュー調査から始まる.
私自身が,視覚障害者向けのポータルサイト制作のために,準備した情報デザイン論の資料は不要だった.
障害学生が,視覚障害者のために必要としたものは,
1.タイトルがわかること,
2.サイト内検索ができること.
3.会員ページがあること.
4.分割されたサイトであっても,必要情報のみ,音声出力ができること.
5.白地の背景に,黒文字を基調にすること.
(配色や凝ったデザインはいらない.イメージ画の使用は,弱視者にとっては分かりにくい.また,音声出力時余計なノイズの原因になる)
6.白黒反転等,視覚障害者の羞明(しゅうめい)への対応が必要.その際,閲覧者側で,カスタマイズできること.
障害学生修学支援のためのQ&A(視覚障害)
http://www.jasso.go.jp/tokubetsu_shien/faq/faq7.html
健常な人たちにとっての情報と,障害のある人たちが必要としている情報は,同じではない.
インクルージョン教育の難しさを,あらためて感じる.Aさんには有効でも,Bさんには有効でないことはある.ただ,情報保証を,変換(スイッチング)技術によって,支えていくことは必要である.技術は,どこまで,障害者の情報保証を支援できるか.
サイトは,携帯端末でサイト閲覧する場合とPC端末でサイト閲覧する場合では,スタイルが違う.携帯端末では,mobile_CSSを有効にして,携帯端末閲覧を可能にしている.
同様に,障害者向けCSSを開発することで,障害者用に閲覧できるようにする.この障害者向けCSS開発は,新しいポータルサイトの構築とともに,視覚障害学生によって,制作される.視覚障害者向けの視覚障害者によるポータルサイトとして,今後に期待する.
テスト用URI:プロトタイプ試行
<!-ここからサンプル用styles-mobile.cssのコード参照--------------->
<!-ここまで------------------------------->