2009年のベネッセによる第1回中学校英語に関する基本調査の中で,英語の勉強に対して最もやる気が高かったのは中1の始めの頃(43.6%)で,中1の夏休みの頃(5.2%)には一気に下降する.
新学習指導要領で,導入される外国語活動は,コミュニケーション能力の「素地」を養うことがうたわれ,小学校の外国語活動中核教員研修は,新学習指導要領で導入される小学校高学年での外国語活動について,導入の経緯,目標・内容,意義,具体的な指導法について,研修プログラムが実施されている.小学校での「素地」は,英語の勉強に対するやる気なのだろうと,研修から感じた.
参考:
新学習指導要領抜粋
第4章 外国語活動
第1 目標
外国語を通じて,言語や文化について体験的に理解を深め,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り,外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しませながら,コミュニケーション能力の素地を養う.
新学習指導要領改訂での教育内容の主な改善事項の外国語教育の充実の中では,積極的にコミュニケーションを図る態度を育成,言語・文化に対する理解を深めるために,小学校高学年(5・6年)に外国語活動を導入,中学校においては,コミュニケーションの基盤となる語彙数を充実するとともに,聞く・話す・読む・書くを総合的に行う学習活動を充実することがうたわれている.
中学校高等学校における外国語科の学習につなげる,小学校の外国語活動の目標の3本柱は,
- 外国語を通じて,言語や文化について体験的に理解を深める.
- 外国語を通じて,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図る.
- 外国語を通じて,外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しませる.
[小・中・高の連携]
〈小〉言語・文化について体験的理解
↓
〈中〉言語・文化についての理解
〃
〈高〉言語・文化についての理解
〈小〉コミュニケーションを図ろうとする態度
〃
〈中〉コミュニケーションを図ろうとする態度
〃
〈高〉コミュニケーションを図ろうとする態度
〈小〉音声や基本的な表現への慣れ親しみ
〈小〉コミュニケーション能力の素地
↓
〈中〉聞く・話す・読む・書くなどのコミュニケーション能力の基礎
↓
〈高〉情報や考えなどを理解したり伝えたりするコミュニケーション能力
日本人は,なぜ,英語ができないのか,世界の言語教育におけるアプローチとメソッドから,日本における言語活動も含めて概観し,近年の新しい言語教育におけるアプローチとメソッドや新しい指導法に注目し,新学習指導要領の外国語活動にどのように影響しているかを検証する.また,日本語と英語の言語特性の違いにある言語教育から,日本の子どもたちにとって,第2言語習得における認知的情報処理過程を神経心理学的手法をもとに検証していく.
これらを解明し,コンピューターを使った情報処理操作によって,障害をもつ子どもたちへの言語活動を支援するツールを開発していく.これらは,これからの時代に求められる人間の生き方をみつめ,私たちの未来,その未来に生きる子どもたちの生きる力が,グローバルな世界に向かっていくために,従来の指導法とは違った新しい指導法を開発するものである.
研修で取り上げられた万人のための教育(EFA:Education for All) から外国語活動を捉えることと比類して,インクルーシブ・エデュケーションから捉える.
Jack C. Richards and Theodore S. Rogers 監訳 アントニー・アンジェイミー & 高見澤孟 Approaches and Methods in Language Teaching - second edicion (2007) 東京書籍